高市新総理誕生で住宅市場は激変か？「積極財政」が住宅金利・価格に与える影響

2025.10.15

憲政史上初の女性総理誕生と「積極財政」の衝撃

憲政史上初の女性総理大臣、高市早苗氏の誕生は、日本の政治に歴史的な一歩を刻みました。同時に、彼女が強く掲げる「積極財政」路線は、長らくデフレに苦しんできた日本経済の潮目を大きく変える可能性があります。

この大規模な財政出動を柱とする経済政策がもたらす効果は、私たちの家計に直結する「金利」「物価」「土地価格」に波及します。住宅購入を検討している方にとって、今後の市場動向は最も重要な関心事です。本記事では、新政権の政策が住宅市場に与える影響を予測し、賢い購入戦略を考察します。

「積極財政」とは、国債増発などを通じた大規模な財政出動により、景気回復とデフレからの脱却を目指す政策です。政府が積極的に投資や支出を行うことで、市場にお金が回り、賃金上昇と物価上昇を促す狙いがあります。

この政策が奏功し、景気回復と賃上げが実現すれば、日本銀行が目標とする2%の物価安定目標の達成に大きく近づきます。デフレ脱却が見えれば、日銀は長年の異次元緩和政策を修正せざるを得なくなり、政策金利引き上げの圧力が強まることが予測されます。

政策金利の引き上げ観測は、即座に住宅ローン金利に影響します。

長期金利（固定金利）: 政策金利の動向や市場のインフレ期待が高まることで、連動する長期金利（住宅ローンの固定金利）は、上昇基調を強める可能性が非常に高いです。特に「フラット35」などの固定型ローンを検討している方は、市場の動向に敏感になる必要があります。
短期金利（変動金利）: 日銀がマイナス金利解除やゼロ金利政策からの脱却に踏み切れば、現在超低金利で推移している変動金利にも本格的な上昇リスクが及ぶことになります。

連立政権において、日本維新の会との連携が強化されることで、長年の懸案であった大阪・関西圏への大規模な投資（副首都構想）が本格化・加速化する可能性が高いです。

具体的な投資分野としては、新たなインフラ整備（リニア中央新幹線の延伸加速など）、国際的なビジネス機能や金融機能の誘致、大阪・関西万博後の跡地再開発などが予測され、この地域が日本の成長戦略の核となる可能性があります。

この大規模な投資は、関西圏の不動産市場に以下の影響を与えます。

関西圏の土地価格高騰: 投資が集中する地域や、交通の利便性が向上するエリア（大阪市内、神戸、京都の一部など）では、土地の需要が爆発的に増加し、首都圏以上のペースで価格が高騰するリスクがあります。
建設資材・人件費の局地的高騰: 大規模なインフラ工事が集中することで、建築資材の需要が増し、建設資材の価格と、それを担う熟練工の人件費が全国に先駆けて高騰する可能性があります。

積極財政と為替: 大規模な国債発行による財政出動は、海外投資家から日本の財政悪化懸念を招き、さらなる円安を誘発する可能性があります。
資材高騰の継続: 円安が続けば、住宅建築に不可欠な輸入資材（木材、金属、設備）の調達コストが円建てで増加します。このコスト増は、住宅価格に転嫁されるため、新築・リフォーム問わず価格の高止まり、またはさらなる上昇が避けられない状況を生み出します。

高市総理の積極財政は、経済を上向かせる期待がある一方で、住宅購入者にとっては「金利と価格のダブルパンチ」となるリスクをはらんでいます。

金利の視点: 変動金利の上昇リスクが高まり、「低金利の最終局面にいる可能性」を強く示唆します。購入を検討しているなら、金利が本格的に上がる前に、固定金利の優位性も視野に入れつつ、早めに行動すべきです。
価格の視点: 積極財政と副首都構想は、全国的なインフレと局地的な需要増を引き起こすため、価格の下落要因はほとんど見当たりません。特に恩恵を受ける関西圏は「早めの決断」が求めらるでしょう。

財政出動の具体策が定まり、市場の金利上昇や土地価格高騰が本格化する前に、住宅ローン金利の動向と土地の選定を急ぐべき「ラストチャンス」の時代に入ったと言えるでしょう。