空き家が蘇る!シェアハウス経営の始め方|許認可から理想の間取り、集客方法まで

2025.08.13

夜空の下、古民家の縁側で語り合う仲間たち――。ドラマ『最後から二番目の恋』では、シェアハウスでの共同生活を通して、登場人物たちが新たな生きがいや人との繋がりを見つけていく姿が印象的でした。

「あんな風に、誰かと関わりながら豊かに暮らしてみたい」 「自分が持つ空き家を、人が集まる場所にできないか?」

そんな想いから、シェアハウスという暮らし方・働き方に興味を持つ方が増えています。しかし、いざ始めようとすると、

  • 「法律や許可って難しそう…」
  • 「費用はどれくらいかかるの?」
  • 「どうやって住む人を集めればいい?」

といった、たくさんの疑問や不安が壁となって立ちはだかります。

今回、そんなあなたのために、シェアハウス運営を始めるための具体的な5つのステップを、法律のポイントから費用の目安、入居者の募集方法まで、分かりやすく解説します。

目次

 

Step 1: どんなシェアハウスにしたい? まずはコンセプトを決めよう

全ての土台となる、最も重要なステップです。しっかりとしたコンセプトがあれば、物件選びから入居者募集まで、全ての判断に一貫性が出て、魅力的なシェアハウスを作ることができます。

 

誰に住んでほしい?ターゲットを決める

まず「どんな人に住んでほしいか」を具体的にイメージしましょう。ターゲットが明確だと、その人たちに響く設備やルール、募集方法が見えてきます。

  • 例: 女性専用、外国人留学生、ITエンジニア、クリエイター、20代限定、シングルマザーなど

どんな場所にしたい?コンセプトの具体例

ターゲットが決まったら、どんな価値を提供できる場所にするかを考えます。

  • 趣味・交流型: 共通の趣味(音楽、映画鑑賞、料理、サーフィン等)を持つ人が集まり、防音室やシアタールーム、広いキッチンなどを提供する。
  • 国際交流型: 日本人と外国人が暮らし、日常的に異文化交流ができる。日本語・英語学習のサポートなどを付加価値に。
  • 起業家・フリーランス支援型: 高速Wi-Fiはもちろん、仕事に集中できる個室や会議もできるワークスペースを完備する。
  • 古民家再生型: ドラマのように、趣のある空間でゆったりとした暮らしを提供。家庭菜園やDIYを楽しめるようなコンセプトも人気です。

 

Step 2:知らないと違法に?シェアハウス運営に関わる法律と許認可

初心者が最もつまずきやすく、かつ最も重要なのが法律です。知らずに始めてしまい「違法状態」になっていた、という事態を避けるため、必ず押さえましょう。

あなたのシェアハウスはどっち?「賃貸住宅」か「寄宿舎」か

シェアハウスは、建築基準法上「寄宿舎」に分類される可能性があります。「寄宿舎」になると、廊下の幅や窓の大きさ、換気設備など、通常の住宅より厳しい基準が適用されるため、リフォーム費用が大幅に変わることがあります。判断が難しい場合は、物件所在地の役所の建築指導課に事前に相談することをおすすめします。

「旅館業法」の許可は必要?

「寝具を提供し」「宿泊料を受け取る」場合、たとえ「シェアハウス」という名称でも、実態が宿泊施設と見なされれば旅館業法の許可が必要になります。月単位の賃貸借契約を結び、生活の本拠として利用してもらう形態であれば基本的に不要ですが、1ヶ月未満の短期滞在者を受け入れる場合は注意が必要です。 (出典:厚生労働省「旅館業法」

見落としがちな「消防法」

人の命に直結するのが消防法です。シェアハウスは消防法上「共同住宅」または「寄宿舎」と扱われ、規模に応じて自動火災報知設備や誘導灯、消火器などの設置が義務付けられています。特に、後から間仕切り壁などを設置して部屋数を増やすリフォームを行う際は、必ず管轄の消防署に事前相談を行いましょう。 (出典:総務省消防庁「消防法令」

賃貸物件で始める「サブリース型」の注意点

他人の物件を借りてシェアハウスを運営する「サブリース(転貸)」は、少ない初期費用で始められる人気の方法です。しかし、必ず物件のオーナー(大家さん)から「転貸およびシェアハウスとしての利用」について書面で承諾を得る必要があります。無断での運営は重大な契約違反となり、即時退去や損害賠償を求められるリスクがあります。

 

Step 3: 物件の準備|費用は?どんな間取り・設備が理想?

法律のポイントをクリアしたら、いよいよハード(物件)の準備です。

 

購入 vs 賃貸(サブリース)メリット・デメリット比較

 

メリット

デメリット

購入

・自由にリフォームできる
・デザインの自由度が高い
・資産になる

・多額の初期費用が必要
・固定資産税がかかる
・事業撤退時に売却の手間がかかる

賃貸

・初期費用を抑えられる
・立地の良い物件を選びやすい
・撤退が比較的容易

・リフォームに制限がある
・オーナーの許可が必要
・家賃を払い続ける必要がある

 

初期費用はいくら?建築・リフォーム費用の目安

物件の規模や状態によりますが、一般的な戸建てを5部屋のシェアハウスにリフォームする場合、300万円〜800万円程度が目安と言われています。

  • 主な内訳:
    • 間仕切り壁の設置
    • 水回り(トイレ、シャワールーム)の増設
    • 消防設備の設置
    • 内装工事(壁紙、床など)
    • 家具・家電購入費(ベッド、机、冷蔵庫、洗濯機など)

入居者に選ばれる!成功するシェアハウスの間取りと設備

快適な共同生活には、プライベートとパブリックのバランスが不可欠です。

  • プライベート空間の確保:
    • 鍵付きの個室は絶対条件です。
    • ベッドと机を置いても余裕のある広さ(最低でも4.5畳以上)
    • 各部屋に十分な収納スペース
  • 魅力的な共用部:
    • 入居者全員が集まれる開放的なリビング
    • 複数人が同時に使える広いキッチン(コンロ2口以上、大型冷蔵庫、電子レンジなど)
    • 清潔で十分な数の水回り(入居者3〜4人あたりにトイレ・シャワー各1つが目安)
    • 高速Wi-Fiは今や必須インフラ
    • 各個人の郵便物を受け取れるポスト

 

Step 4: トラブルを未然に防ぐ!契約書とハウスルールの作り方

楽しい共同生活も、ルールがなければあっという間に崩壊します。ソフト面の整備は、ハードと同じくらい重要です。

契約書の種類は?

入居者とは、個別に「建物賃貸借契約」を結ぶのが基本です。これにより、家賃の支払いや禁止事項、退去時のルールなどが法的に明確になります。契約書のひな形は、国土交通省のウェブサイトで公開されている「賃貸住宅標準契約書」が参考になります。 (出典:国土交通省「賃貸住宅標準契約書について」

円滑な共同生活のためのハウスルール具体例

契約書とは別に、より具体的な生活ルールを定め、入居時に説明・同意を得ましょう。

  1. 清掃・ゴミ出し: 当番制のルール、担当範囲、実施曜日など
  2. 共用部の利用: 利用後の片付け、私物の放置禁止など
  3. 水回りの利用: シャワーや洗濯機の利用可能時間
  4. 友人・恋人の訪問: 事前連絡の要否、訪問可能時間
  5. 宿泊: 宿泊の可否、可能な場合の手続きや追加料金
  6. 騒音: 電話や音楽、テレビの音量、深夜の会話に関する注意
  7. 喫煙: 喫煙場所の指定(室内禁煙が一般的)
  8. 貴重品管理: 自己責任であることの明記
  9. インターネット利用: 違法ダウンロード等の禁止
  10. 退去連絡: 退去希望日の何か月前までに連絡が必要か

 

Step 5: どうやって集める?効果的な入居者の募集方法

準備が整ったら、いよいよコンセプトに合った入居者を集めます。

募集方法のいろいろ

  • シェアハウス専門ポータルサイト: 最も効果的で、シェアハウスを探している人が集まるため成約に繋がりやすいです。
  • SNSの活用: InstagramやX (旧Twitter) で、ハウスの日常や共用部の写真、イベントの様子などを発信し、シェアハウスの「楽しそうな雰囲気」を伝えます。
  • 自社HP・ブログ: ポータルサイトでは伝えきれない、運営者の想いや詳細なコンセプトを発信し、ファンを作ります。

ミスマッチを防ぐ!内覧と面談のポイント

空室を埋めることだけを考えず、「ハウスのコミュニティに合う人か」を見極めることが長期的な成功の秘訣です。

  • 内覧時には、他の入居者がいれば紹介し、会話の機会を作りましょう。
  • ハウスのルールを丁寧に説明し、共同生活への理解度や協調性を確認します。
  • 一方的な面接ではなく、相手の不安や質問にも真摯に答えることで、信頼関係を築きましょう。

 

まとめ:シェアハウス運営は、場所作りから「コミュニティ作り」へ

シェアハウスの始め方を、5つのステップで解説しました。

法律の確認や費用の準備など、やるべきことは多岐にわたりますが、成功の鍵は突き詰めると以下の3つに集約されます。

  1. 明確なコンセプト
  2. 法規制の遵守
  3. 入居者との丁寧なコミュニケーション

シェアハウス運営は、単なる不動産賃貸業ではありません。自分が作った場所に人が集い、交流し、新たな物語が生まれるのを見届けることができる、「コミュニティ作り」というクリエイティブでやりがいのある事業です。

この記事が、あなたの理想のシェアハウスを実現するための一歩となれば幸いです。

 

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いえたった関西編集部
本記事は、いえたった関西編集部が執筆・監修しています。
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