自宅にヘリポートは作れるの?夢のある住まいの未来像
2025.05.14
2025.05.14

「将来、自宅の屋上から空を飛ぶように移動できたら…」そんな夢のあるライフスタイルに一歩近づけるのが“自宅ヘリポート”です。
ここでは、ヘリポートの基礎知識から、作るための法的手続き、必要な敷地条件、さらには費用感まで、現実的に検討したい方向けにまとめてみました。
目次
ヘリポートとは、ヘリコプターが離着陸できるように設計された専用スペースで、航空法において「離着陸場」として定義されています。病院や高層ビルの屋上、報道ヘリの基地などで見かけることが多いですが、実は「私有地」に設置することも制度上は可能です。
理論上は可能ですが、非常に多くの条件をクリアする必要があります。
地域制限:用途地域が「工業地域」「準工業地域」などの制限が少ない区域であることが望ましいです。
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用途地域 |
設置の可能性 |
備考 |
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工業地域・準工業地域 |
◯(比較的可能) |
騒音・振動を伴う施設の建設が許容されやすいため。設置例もあり。 |
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商業地域・近隣商業地域 |
△(条件次第) |
高層ビルや商業施設での屋上設置実績あり。用途・騒音管理が鍵。 |
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住居地域(第一種・第二種) |
×〜△(基本は不可) |
住環境の保護が優先されるため、騒音や安全面から厳しく制限される。特別な用途変更・周辺住民同意が必要。 |
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田園住居地域など |
×(原則不可) |
農地・低層住宅エリアでは特に難しい。 |
住居地域でも、以下のような特例的な条件がそろえば可能性はゼロではありません
住居地域では「原則不可」、あくまで例外扱い(超富裕層・特別案件)
工業・準工業地域であれば比較的設置しやすく、手続きも現実的
現実的に検討するなら、郊外の広い敷地にある住宅+事業用途の方が適しています
敷地の広さ:安全区域を含めて考えると最低でも直径20〜30m以上(400~900平米)の空間が必要
法令・申請手続き:

ヘリポートを設置する場合、多くはヘリコプターを保護・整備するための専用ガレージ(格納庫)も場合によっては必要になるでしょう。
風雨や日射から機体を守るだけでなく、整備作業・燃料補給などを安全に行うスペースとしても重要です。
一般的な小型ヘリコプターの例と必要スペース
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機種名 |
全長(ローター含む) |
全幅 |
高さ |
必要な格納スペースの目安 |
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ロビンソン R44 |
約11.6m |
約2.2m |
約3.3m |
最低12m × 12m程度 |
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エンストロム 480B |
約11.3m |
約2.3m |
約3.0m |
最低12m × 12m程度 |
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ベル 505 |
約12.9m |
約2.1m |
約3.3m |
最低13m × 13m程度 |
※扉の開閉や作業動線も考慮すると、もう少し広い設計が望ましいです。
ガレージ・格納庫は単なる保管場所ではなく、航空法・消防法・騒音規制など複数の法律が絡むため、設計段階から専門家との連携が不可欠です。
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項目 |
概算費用 |
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基本構造(コンクリ舗装+耐荷重構造) |
約1,000万円〜1,500万円 |
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航空設備(灯火・風向計・無線対応など) |
約500万〜800万円 |
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航空局への申請・手続き関連 |
約100万円前後 |
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ヘリ本体の購入費 |
約3,000万〜1億円以上 |
※上記はすべて目安。実際は敷地条件や施工業者によって大きく異なります。

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保管方法 |
特徴 |
備考 |
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民間格納庫(ヘリポート併設型) |
空港近くや郊外にある、民間の有料格納庫をレンタル。 |
例:東京ヘリポート(新木場)、名古屋空港周辺など。セキュリティ完備・メンテナンス会社併設。月数十万円〜 |
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自宅敷地内(個人ヘリポート+格納庫) |
郊外の広い敷地に自前で格納庫を建てる。 |
航空局の許可・行政手続きが必須。プライベート重視の方が選択。建設コスト数千万〜 |
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ヘリ運航会社への預託 |
ヘリを運航会社に預け、必要なときだけ使用。 |
格納・整備・パイロットの手配までフルサポート。自分は所有者であり利用者。運用費は定額契約もあり。 |
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内容 |
頻度 |
実施者 |
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日常点検 |
飛行前後ごとに実施 |
整備士 or パイロット(簡易チェック) |
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定期整備(100時間点検・年次点検) |
飛行時間 or 年1回 |
航空整備士(国家資格保有者)による法定点検 |
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部品交換・整備記録簿管理 |
各パーツの耐用時間に応じて |
法律により記録義務あり。国交省(航空局)による立入検査あり。 |
※整備会社と年間契約を結んで、管理を委託するのが一般的です。
自宅にヘリポートを持つという夢は、非常に高いハードルを伴うものの、確実に不可能ではありません。
「将来の移動手段の多様化」や「防災拠点としての備え」といった観点からも、夢として温めつつ、専門家と相談しながら計画を練る価値があります。
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