再建築不可物件とは?資産価値・リスクとお得な活用法まで徹底解説

2025.04.30

住宅購入や相続、投資を考える中で、耳にすることがある「再建築不可物件」

価格が安く、都心や駅近にあることも多いですが、購入には注意が必要です。

この記事では、そもそも再建築不可物件とは何か?から始まり、資産価値・流通状況・メリット/デメリット、さらにはお得に活用する方法まで、網羅的に解説していきます。

 

再建築不可物件とは?

「再建築不可物件」とは、建築基準法に基づく“接道義務”を満たしていないため、 現在の建物を解体した後に新たな建物を建てることができない土地・建物のことです。

 再建築ができない理由

  • 建物の敷地が、幅4m以上の道路に2m以上接していない

  • 都市計画区域・準都市計画区域などの市街地で接道義務があるエリア

  • 建築基準法第43条の制限対象(詳細は後述)

 古い建物をリフォームすることは可能でも、全面的な建て替えは不可という点が最大の特徴です。

 

なぜ再建築不可物件が存在するのか?

  • 昭和以前に整備された細い路地や私道が多いエリアでは、昔の基準で建てられた家が多数存在

  • 相続によって分割され、接道条件を満たさなくなった土地が再建築不可に

  • 接道の権利関係が複雑で、通行許可や私道の持分を失っているケースも

こうした背景から、再建築不可物件は、都内や地方都市の密集住宅地に点在しています。

 

建築基準法 第43条とは?

再建築不可物件の根拠となるのが、「建築基準法 第43条」です。

建築物の敷地は、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない。 この条件を満たさない土地には、原則として新たに建築物を建ててはならない。

(出典:建築基準法 第43条(e-Gov法令検索)

 

接道義務のポイント

条件と内容

 

道路幅員:

4メートル以上必要

接道長さ:

2メートル以上必要

適用区域:

都市計画区域・準都市計画区域

このルールは、火災・地震などの災害時に緊急車両がアクセスできるかという安全性確保の観点から設けられています。

 

例外:但し書き許可とは?

第43条 第2項では、自治体が特例的に「安全性に支障なし」と認めた場合、“但し書き許可”により建築が認められる場合があります。

  • 道路幅が4m未満でも、自治体により特例道路として指定されていれば許可が出ることも

  • 許可を得るには、建築士の図面・安全配慮計画などが必要

  • 自治体によって判断が分かれるため、事前相談が必須

 あなたの土地は再建築可能?簡易チェックリスト

  • □ 接道している道路の幅は4m以上あるか?

  • □ 接している部分は2m以上か?

  • □ 都市計画区域内か?

  • □ 建築基準法上の「道路」に指定されているか?

  • □ 但し書き許可制度が使える地域か、行政に確認したか?

→ ひとつでも「×」がある場合は、再建築不可の可能性があります。

 

 

再建築不可物件の資産価値は?

 

観点

通常物件

再建築不可物件

資産価値

一般的に高く維持される

相場の半額〜3割程度安くなる

売却のしやすさ

流通量多く売りやすい

買い手が限られるため売却に時間がかかる

融資・ローン

フルローン可能

金融機関によっては融資NG、現金購入が前提

将来的な建て替え

可能

不可能(特例除く)

資産としての“流動性”が低いため、相続時や売却時にトラブルになるケースも。

 

関連記事:上がっていく土地・下がる土地の傾向・特徴 2025年最新版

 

再建築不可物件のデメリット

  • 建て替えできない=将来的に老朽化したまま住み続けるリスク

  • 火災や地震などで全壊した場合も再建築不可

  • 銀行からの住宅ローンが通りにくく、現金購入が基本

  • 相続で分割できない or 買い手がつかず空き家化しやすい

  • インフラや救急車・消防車が入れないなど、安全面の懸念

 

 

再建築不可物件のメリット・活用法

メリット

  • 価格が通常物件より3割〜5割以上安い

  • リフォーム次第では「リノベーション住宅」として再活用可能

  • 築年数が古くても都心・駅近の立地に住めるチャンスがある

  • 現金購入者にとっては収益物件(賃貸)として回しやすい

お得な活用アイデア

民泊・シェアハウスなど小規模投資用に活用

安く仕入れられる再建築不可物件は、民泊やシェアハウスとしての活用を検討する人も増えています。ただし、以下のような法的確認が必要です:

項目

民泊(旅館業)

シェアハウス(共同住宅)

用途変更

必要(住宅→旅館)

必要になる場合あり(住宅→共同住宅)

消防法

防火設備・誘導灯など必要

火災報知器・避難経路確保が必要

行政対応

保健所への営業許可申請

不要だが騒音・近隣配慮が必要

地域制限

住居専用地域では営業不可

原則可(用途地域による)

事前に「建築士」「行政窓口(建築指導課・保健所)」「消防署」へ確認するのが鉄則です。

 

 SOHOやアトリエ、趣味スペースとしてリノベ活用

建て替えはできなくても、既存建物を「セルフリノベーション」や「コンバージョン」で活かす方法もあります。

 

  • 自宅兼仕事場としてのSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)
  • 音楽室・工房・スタジオ・ギャラリーとして活用
  • 古民家風のリノベーションで個性を活かす

 

 許認可が不要な「自分で使う」用途であれば、自由度は高く、趣味性・創造性の高い使い方が可能です。

 

 隣地を購入・合筆して「再建築可能」に

「接道義務(2m以上)」を満たしていない再建築不可物件でも、隣地を取得して敷地を広げることで、再建築可能になることがあります。

 

  • 隣地が空き家・空き地であれば交渉次第で取得可能
  • 合筆登記で接道幅を2m以上確保できれば、43条制限が解除されるケースも
  • ただし、法的判断は自治体によって異なるため、必ず事前確認を!

ポイントは「調査・交渉・登記の3点」。不動産会社や司法書士の協力がカギになります。

 再建築不可=“使えない”ではなく、“使い方次第”でお得に転換することも十分可能です!

 

 

まとめ|再建築不可物件は“知って使えば武器になる”

一見ネガティブなイメージが先行する「再建築不可物件」ですが、 安さ・立地の良さ・活用方法の自由度という面では大きな魅力もあります。

ただし、相続や資産運用・売却時のトラブル回避のためにも、 購入前には建築士・不動産会社・行政としっかり確認を行いましょう。

“安いけど買わない”のではなく、“リスクを理解して買う”ことが鍵です。

 

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