新築の天井高の決め方と考慮すべき点
2024.12.04
2024.12.04
目次

新築住宅の設計において、天井高は空間の快適性やデザインに大きな影響を与える重要な要素です。
人によっては天井高を変えることによって開放感のある広々とした空間や、心地よく過ごせる居住環境を実現できます。
しかし、どのように最適な天井高を決めればよいのか、迷う方も多いかもしれません。
この記事では、天井高に関する基本的な知識から部屋ごとの最適な天井高の決め方、考慮すべき点まで詳しく解説します。
理想の天井高を見つけるためのヒントを提供しますので、ぜひ参考にしてください。
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まず天井高とは、床面から天井面までの垂直の高さを指します。
一般的に住宅設計では「居室の天井高」として取り扱われることが多く、室内空間の広さや印象を大きく左右する重要な要素です。
新築住宅で一般的に採用されている天井高は2.4メートル程度ですが、最近では2.6メートルや2.7メートルといった高めの天井が選ばれる傾向が強まっています。

新築住宅では、リビングやダイニングなど家族が集まる空間には高天井を採用し、寝室などのプライベート空間は標準的な高さにする設計が増えています。
これは、天井高を部分的に変えることで部屋の間取りや空間の役割に応じてより快適な住環境が実現できるためです。
以下に、部屋別の天井高の目安を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
◆【部屋別】最適な天井高の目安
・リビング
リビングは家族が集まり、長時間過ごす空間であるため、天井高が高ければ解放感が生まれ快適性に大きく影響します。
リビングの天井高は一般的に2.4メートルが標準ですが、開放感を求める場合は3メートル前後に設定することで、空間の広がりを感じられますがただ天井高を上げるだけでなくリビングの一部を吹き抜けや勾配天井にすることにより、空間に変化が生まれ、さらに開放的な印象が増します。
家族がリラックスしてくつろげるリビング空間を実現したい場合には、天井高には余裕を持たせることがおすすめです。
・ダイニング
ダイニングは、食事を楽しむ場所であり、基本的には椅子に座って過ごす空間です。
目線が座った状態での高さになるため、天井高は2.2~2.4メートルで十分と言えます。
リビングと一体型の設計が多いダイニングでは、リビングの天井高を少し高くし、ダイニング部分と意図的に段差を設定すると、空間がゆるやかに区切られ、部屋全体にメリハリが生まれるだけでなく快適なおしゃれ空間が実現出来るので人気の高い施工方法になります。
・キッチン
キッチンでは、作業性と収納力が重視されるため、天井高の選定にはキッチンカウンター上部収納棚やレンジフードの位置も考慮する必要があります。
JIS規格に基づくキッチンのカウンター高さは85センチメートルが一般的で、吊り戸棚やレンジフードとのバランスをとると、天井高は2.3~2.4メートルが推奨されます。
天井高が高すぎると、収納棚が手の届きにくい位置になりやすいため、使い勝手が悪くなるだけでなく、換気扇の適性位置が確保出来ず集気性能が正常に機能しなくなるなどの問題がありますので、適切な高さを決めて必要な収納力を確保しつつ、使いやすいキッチンを目指すことが大切です。
・玄関
玄関は家に入ったときの印象を左右する場所です。
玄関ドアのサイズや靴を脱いで上がる段差を考慮して天井高を設定します。
既製品の玄関ドアは2.2~2.3メートルが標準的で、段差を加味して2.4~2.5メートルの天井高が目安です。
・和室
和室は床に座って過ごすため、天井高は抑え目に設定できます。
座ったときの目線が約90センチメートルであるため、2.2メートル程度の天井高でも圧迫感を感じにくく、十分に快適です。
もしリビングの一角に畳コーナーを設ける場合、天井高のバランスを考える必要があります。
リビングの天井高が2.4メートルであれば、畳コーナーの天井高をあえて2メートル程度に設定することで、空間に奥行きが生まれ、落ち着いた雰囲気を演出できます。
・寝室
寝室はリラックスできる空間であるため、落ち着いた雰囲気を保つために、低めの天井高が適しています。
一般的に2.3~2.4メートルが快適とされていますが、勾配天井を取り入れる場合には、最低でも1.7メートル程度の高さを確保することで、頭をぶつけずに快適に過ごせます。
低めの天井は圧迫感を感じさせない適度な高さに調整し、ゆったりとした睡眠環境を作ることが望ましいでしょう。
・子ども部屋
子ども部屋は、遊びや勉強、就寝といった様々な活動が行われるため、適度な広がりと安心感を両立した天井高が求められます。
目安としては、2.3~2.4メートルが適切ですが、ロフトベッドや二段ベッドを使用する場合には上部に適度な空間を持たせ、窮屈さを感じないようにすることが重要です。
ここでは、実際に天井を高くして住宅を建てた例を紹介します。
下記は、リビングの天井を吹き抜けで設計し、窓を大きめに設置することで解放感と程よい光を取り込んでいる施工事例です。

(施工事例:『ラビスタ』~ハイリビングのある豊かな暮らし~)
こちらは、屋根の形をそのまま天井に活かして、勾配天井にすることで広がりのある空間を実現した施工事例です。

(施工事例:平屋にプラスαのゆとりを持たせた1.5階建て)
設計段階で天井高を決める際には、予算や施工面の課題に加え、構造や快適性への影響も考慮する必要があります。
以下に具体的な注意点を解説します。
日本の建築基準法では、居室の天井高は最低2.1メートル以上と定められています。
この基準は、通風や採光を確保する目的や、快適な居住環境を保つために設けられています。
なお、ロフトや屋根裏部屋など特別な用途の場合、さらに細かい規定が適用されることもあります。
最低基準を理解したうえで、ライフスタイルに合った天井高を決めることが大切です。
高い天井はメリットもあるものの、天井を高くすることは使用する設備費用や工事費用が増加する可能性があります。
例えば、天井を高くすると、室内の空気量が増えます。
つまりエアコンは室内全体の空気を冷やしたり温めたりするため、天井が高いとエネルギー消費量が増加する傾向があります。
高い天井に適した冷暖房設備を選ぶ必要があるため、慎重な予算計画が求められます。
また天井を基準値よりも高く設計する場合は別費用となるハウスメーカーが多いでしょう。よって坪単価も上がる事からコスト面に関しては有利とは言えないと言うことは覚えておきましょう。
将来的なリフォームを考慮し、天井高の変更が可能な構造を選ぶことも重要です。
例えば、ロフトスペースを設ける設計や、可動式の仕切りを活用するなど、柔軟な対応ができる設計を検討してみてください。
新築住宅では、建物の構造上、天井高が希望どおりにできない場合があります。
例えば、建物を支える梁(はり)の位置やサイズ、エアコンや換気設備の配管スペースが天井裏に必要になることが原因です。
こうした制約がある場合でも、梁をデザインとして見せる「現し梁」や、天井を一部高くするなどの工夫で解決できることがあります。
具体的な対応は建物ごとに異なるため、詳しくは専門家に相談しながら設計を進めると安心です。
天井高の選択は、新築住宅の住み心地に大きな影響を与えます。
快適性やエネルギー効率、コスト面などを考慮しながら、家族のライフスタイルに合った天井高を選びましょう。
専門家への相談を通じて、理想の住空間を実現するための具体的なアドバイスを得ることも重要です。
大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山で注文住宅を検討中なら、イエタッタに掲載中のモデルハウスで実際の天井高を体感してみてはいかがでしょうか。
下記は京都市伏見区にあるモデルハウスです。
限られた土地でも、より光を入れられるようにリビングの天井を高くしています。

(モデルハウス:【30.30坪】開放感のある2階リビングのナチュラルモダンスタイル)
こちらは、兵庫県明石市にある開放的な空間を実現したモデルハウスです。

(モデルハウス:玄関正面のオープン階段が感動を生み出す“超空間の家”)