弱い地盤を強化する地盤改良の種類や効果を解説します|大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山の注文住宅ならイエタッタ
2024.09.25
2024.09.25
目次

この記事では、地盤の種類の特徴から各地域の地盤の強さの調べ方、地盤改良の種類ごとの効果までを解説します。
災害に強く、安心して生活が出来る土地選びの参考にしてください。
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日本の地盤は、岩盤・洪積層(こうせきそう)・沖積層・人工地盤の4種類があります。
それぞれの地盤の特徴と、家を建てる際にどのような対策が必要なのか解説します。
岩盤とは、岩の地盤のことです。
一般的に岩盤は強固なため、地震発生の影響は少なくなっています。
非常に強い地盤の岩盤では、杭基礎を施工する場所としても適しています。
しかし、岩盤といっても、長年風化してきたもろい岩もあります。
特に注意が必要なのは、古い地層にある岩盤です。
長い年月をかけて岩が風化浸食されている場合は、杭基礎の施工場所には向かない可能性があります。
洪積層とは、長年かけて土砂が堆積した硬質な地盤のことです。
関西地方では、関西国際空港や大阪平野が洪積層です。
これらの台地では、2万年以上前に洪積層が形成されており、非常に強固な特徴があります。
洪積層が浅い土地に住宅を建てても、地震による影響は少ないと言えます。
しかし、洪積層によっては盛土をして造成されている場合があるため、注意が必要です。
地盤自体は硬く丈夫な土壌ですが、盛土はもろく地震に弱い性質があります。
土壌の調査で洪積層だと判明した場合でも、造成により盛土がされているかは確認してください。
沖積層とは、洪積層と比べると新しい地盤で、約2年前から土砂が堆積し形成しています。
土壌の質により地震の強さが変わるため、注意が必要な地盤です。
特に注意が必要なのは、粘土層や腐食土層の場合です。
粘土質は粒子が細かい土壌で水分を含んでおり、建物の重みで水分が抜けてゆっくりと地盤沈下していく特徴があります。
また、腐食土層は、植物の残骸が堆積した土壌で、同じように地盤沈下リスクがあります。
一方で、沖積層の中でも宅地に適しているのは、礫層と砂層です。
これらは粘土質より粒子が大きいため、地盤沈下リスクは低くなっています。
もともと水はけが良い地盤で、建物の重みや地震の揺れによる影響はほとんどありません。
しかし、地下水位が高いと、砂層のしまりがゆるくなります。
ゆるくしまっている地盤では、地震の際に液状化が起きやすいため注意が必要です。
人工地盤とは、硬い地盤や軟弱地盤の上に盛土をして、人工的に手を加えた地盤のことです。
自然でできた地盤と比べて、盛土部分は不安定になります。
盛土をしたばかりだと地盤が安定せず、地盤沈下が発生する可能性があるため注意が必要です。

家を建てるのに適している地盤は、硬い地盤です。
地盤の種類で言えば、洪積層がそれに当たります。
洪積層は、台地と呼ばれる標高が高い場所に形成される特徴があります。
しかし、洪積層だからといって、すべての土地が地震に強いわけではありません。
洪積層は標高が高い場所に多いため、斜面の場所も多くなります。
土地が斜面になっていれば、山を削り切土や盛土で造成しなければならず、盛土した土地や、斜面に切土や盛土をした境目は不安定になります。
また、洪積層に比べて比較的新しい地盤の沖積層は、一部軟弱地盤があるため、土地選びで注意が必要です。
沖積層は、川の周辺に広がる平野部に多く見られています。
しかし、沖積層だからといって、すべての土地が軟弱地盤なわけではありません。
昔から川が氾濫して土砂が堆積する場所は、地盤が固くなっている場合があります。
川の近くで市街地になっている土地は、比較的強い地盤が多いので、高値で取引される特徴があります。
土地を購入する際に地盤を調べる方法としては、地盤サポートマップやハザードマップがあります。

地盤サポートマップは、ジャパンホームシールド社が運営する無料の地盤情報サイトです。
住所で検索すると、地震時の揺れやすさ、液状化の可能性、浸水の可能性が色別でわかります。
また、航空写真を選択すると、年代別の昔の土地の様子を写真で見ることができます。
古い写真にさかのぼって谷や川だった場合は、盛土している可能性があり注意が必要です。
他にも、古い写真で水田だった場合も、盛土している可能性があります。
では、「調べたい住所をここに入力して検索!」と書いてある場所に「大阪府堺市」と入力して検索してみましょう。
検索結果は次のように出ました。

「災害リスクをまとめたレポートをみる」というボタンを押してみると、【地震時の揺れやすさ】【液状化の可能性】【土砂災害の可能性】【浸水の可能性】などについて、お目当ての土地の地盤状況をチェックすることが出来ます。

ぜひ気になっている土地について皆さんも調べてみてください。

ハザードマップは、自治体が提供する災害情報のことです。
地域によっては液状化の可能性や、洪水の可能性などをマップ上に表示しており、各家庭に地図を配布する他、自治体のホームページで公開するところもあります。
さらに、国土交通省でもハザードマップポータルサイトを公開しています。
住所で検索すると、洪水・土砂災害・高潮・津波・道路防災情報・地形分布を確認可能です。
検索ではポップアップで注意が必要な内容が表示されるため、土地選びの参考になります。
では、こちらにも「大阪府堺市」と入力して検索してみましょう。

大阪府堺市の災害時に予想される状況などが表示されます。「堺市 堺区のハザードマップを見る」から詳しく見てみると下の画像の様に、それぞれより詳しいハザードマップを見ることが出来ます。

ぜひ、地盤サポートマップとハザードマップを両方用いて、安心して暮らせる場所を探してみてください。

建物を建てる前に、有料で地盤調査を行うことができます。
軟弱地盤に家を建てると地盤沈下の恐れがあるため、事前に調査し、そのデータをもとに建物の構造計算を行う必要があります。
地盤調査方法は、一般的なスウェーデン式サウンディング試験とボーリング調査の2種類です。
一般住宅の地盤調査では、スウェーデン式サウンディング試験が行われます。
費用は5万円程度で、半日~1日で調査は終了します。
土地の四隅と中央の調査が一般的で、先端がスクリューになっており、おもりをつけながら回転させ、回転数やおもりの重さから地盤の強度がわかる方法です。
ボーリング調査は、マンションなど規模の大きい建物で用いる調査です。
調査費用は25~30万円程度で、1日~数日で調査は終了します。
ボーリング機械を使って穴を掘り、穴にハンマーを落下させて地盤の強度を調査します。
一般住宅の場合でも、規模が大きくなる場合や、地下室を作る場合は、地質の状態まで調べられるボーリング調査を利用すると安心です。

地盤改良には、柱状改良工法、表層改良工法、小口径鋼管杭工法の3種類があります。
柱状改良工法は、軟弱地盤が地表から2~8m以内の場合に選択します。
地中に直径60cmほどの穴をあけて、円錐状に地盤を固めた改良杭を入れる方法です。
改良杭は、セメントと土を混ぜたものを用います。
柱状改良工法は、強固な地盤が無くても施工可能です。
しかし、狭小地や高低差のある土地では、施工できない場合があります。
柱状改良工法の費用は、3種類の中でも低くなっています。
費用は1棟あたり数十万円からで、改良杭の本数によっては、100万円以上かかる場合があります。
表層改良工法は、軟弱地盤が地表から2m以内の場合に選択します。
軟弱地盤を取り除き、セメントと土を混ぜてから強度を高める工法です。
地盤改良面が地下水位より低く、勾配が少ない土地に向いています。
表層改良工法は、小型重機でも施工が可能で、リーズナブルです。
費用は、1棟あたり100万円台で施工できます。
小口径鋼管杭工法は、硬い地盤に鋼管の杭を打つ方法です。
硬い地盤がなければ施工できない点や、騒音が起こる点に注意が必要です。
施工費用が高額になりやすいため、表層改良や柱状改良で対応できない土地に向いています。
費用は1棟あたり、数十万円からで、杭の本数によっては数百万円かかる場合があります。

軟弱層の厚さが異なる場合や、腐葉土が混ざる土壌では、地盤改良工事でトラブルが発生する恐れがあります。
軟弱層の厚さの問題は、川や水田があった土地を埋め立てた場合に注意が必要です。
また、切土や盛土を混ぜている土地も、軟弱層の厚さが異なる可能性があります。
軟弱地盤の厚さが異なる土地では、事前の調査不足により、一部の杭が硬い地盤に届かず不安定になります。
腐葉土が混ざる土地は、農耕地によく見られています。
セメントとの相性が悪く、セメントが十分に固まらず、適切な地盤改良ができない可能性に注意してください。
ここまで地盤の種類の特徴や各地域の地盤の状態調べ方から、地盤改良の種類ごとの効果までお伝えしました。大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山で注文住宅を考えている方は、ぜひこの記事を参考に、しっかりと地盤の強さを確認し安全で快適な注文住宅を建ててください。